花粉症になる原因は
中医学では、花粉などによって起こるアレルギー発症の原因は、身体の防衛作用を担っている「衛気(えき)」という気の不足や、身体の水分代謝に関わる五臓の「脾(胃腸機能)」・「肺」・「腎」の内どこかの働きが失調しているからと考えられています。
水分代謝がうまくいかないと、栄養物質が液状のまま体内に余分な水分として残ってしまいます。
これが「水飲(すいいん=病理生成物)」となって、鼻や口、皮膚から侵入してきた花粉などのアレルギー物質と結びついて、くしゃみや鼻水、鼻詰まりを発症させるといわれています。
「甜茶(てんちゃ)」とは
最近はスーパーでも見かけるほどメジャーになった「甜茶(てんちゃ)」。
漢方薬にもなっている、バラ科のテンヨウケンコウシの葉が原料です。
花粉症に良いといわれる理由は、甜茶に含まれる、甜茶ポリフェノールがアレルギーの原因物質である、ヒスタミンの分泌を減少させてくれるからといわれています。
ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、活性酸素による悪影響を抑制することで老化を遅らせることも期待されています。
また、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄といったミネラルも豊富な美容にもいいお茶です。
お味の方は、「舌」に「甘」という字が表すように甘味の強いお茶ですが、ノンカロリーでカフェインも含みません。
花粉が飛ぶ1ヶ月前から、朝昼晩と飲むことで効果が高くなるといわれています。
(タンニンが多めなので、貧血気味の方は食前、食後30分は控えめに。)
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花粉症タイプ別おすすめ食材
花粉症になる原因を特定するのは難しいのですが、症状の出かたでタイプがわかれば、薬膳で症状を和らげることができますよ。
症状の出かたには大きく分けて「寒タイプ」と「熱タイプ」があります。
寒タイプの特徴は、
身体が冷えているため、サラサラ透明の鼻水で鼻詰まりは軽く、寝起きにくしゃみを連発するなど。
熱タイプの特徴は、
水飲が体温で温められて炎症が起きているため、鼻詰まりが強かったり、かゆい症状、目がかゆい、のどの奥がかゆいなどが見られます。
下記にタイプ別食材をご紹介します。
食材名に、その食物を食べることで身体が温まるのか、身体を冷やすのか、どちらでもないのかを下記の色分けをして表しています(食性)のでご参考にして下さい。
・赤・・・温熱性/身体を温め、内臓の働きが活発となり、血液の流れも良くなる。
・青・・・寒涼性/身体を冷まし、体内で発生する炎症を抑えたり、血液の浄化をする。
・黄・・・平性/身体を温めも、冷やしもしない、平和な性質。
寒タイプのおすすめ食材は
生姜、長ネギ、ニラ、玉ねぎ、紫蘇、鶏肉、えび、菜の花、よもぎなどの身体を温める食材をとり、内臓の働きを活発します。
熱タイプのおすすめ食材は
れんこん、きゅうり、ほうれん草、緑豆もやし、豆腐、ひじき、もずく、わかめ、ミント、菊花、ハブ茶などの身体の熱を冷ます食材をとり、体内の炎症を抑えます。
どちらのタイプにもおすすめ食材は
「脾(胃腸機能)」の働きを助ける食材がおすすめ。
肉類なら消化に良い鶏肉、魚はいわしやぶりなどの青魚、いも類、豆類、きのこ類、キャベツ、にんじん、ブロッコリー、れんこん、うずらの卵など。
あとはアレルギーに過敏に反応しない身体をつくるために普段から「衛気」を高める食材。
いも類、豆類、きのこ類、うずらの卵、紫蘇なども食べておくといいです。
鼻水が止まらないときにおすすめの食材は
豆類は体内の余分な水分を排出する作用があります。
豆類以外では、はと麦、とうもろこし、アスパラガス、冬瓜、白菜にも同じような作用があるとされています。
サラサラ鼻水の場合は、温性の食材と食べ合わせることで効果が高まります。
鼻血が出るときにおすすめの食材は
れんこんに含まれるポリフェノールの一種がアレルギー症状を抑制するといわれています。
鼻血にはれんこんの、止血作用とムチンの粘膜を保護してくれる作用が活躍してくれます。
生のれんこん汁を鼻の中に直接塗ることで花粉をガードできるのでおすすめ。
①れんこんの土をきれいに洗い流したら、皮ごとすりおろします。
②皿を斜めに傾けて指の裏で押さえてると汁が出てきますので、綿棒に含ませて鼻の穴に塗ります!
(★時間が経つと白くなって目立つので、出かけるときはマスクを忘れずに!!)
花粉症は治せる!
花粉は単なるきっかけであって、花粉症を発症するということは自分の体の機能が低下しているため防御できていないと考えられます。
どんな病気でも薬と合わせて食事指導があるように、薬ではその場の症状を抑えることができても、食事や生活習慣を見直さなければまた同じ病気になってしまいます。
今や日本国民の2人に1人が何らかのアレルギー疾患にかかっていると推測されています。
その背景には生活環境の変化や花粉やカビが増えたことのほかに、現代の食事がリノール酸過多であることが考えられています。
リノール酸は安価なサラダ油に多く含まれ、フライドポテトやインスタントラーメン、スナック菓子やスナックパン、チョコレート、ドレッシング、マヨネーズ、マーガリン、ショートニングなどさまざまな食品に含まれています。
薬膳でも甘味の摂り過ぎは「脾(胃腸)」を痛め、余分な水分(水飲)を生み出すといわれています。
特に大量の砂糖が入った冷たい飲み物やアイスは体を冷やして内臓機能を低下させ、あらゆる不調を招くとされています。
このように現代の食事には、アレルギーを発症させる要因となるものがそこら中にまん延しています。
私は当時、スギの花粉症で毎日鼻炎カプセルを飲んでいましたが、これらに注意して生活するようになった翌年から、薬を飲む回数が減り、3年経った今は薬を飲まなくてよくなりました。
まずは体に良くないものを避ける食事にするだけでも、アレルギー症状が軽減することと思います!